活動内容

2013年度の活動レポート

2013 年度、わたしたちは様々なフィールドで活動してきました。こどもたちは多様な自然との出会い、ふれあいを大いに楽しむと共に、体験を通して貴重な“まなび”の機会を数多く持つことができました。その活動の様子の一部を、ご紹介します。

プレップクラス

磯の生き物 小さな水族館を見る

三浦半島・荒崎の磯で、おもに潮だまりの生き物を中心に観察を行いました。潮だまりでは、「カニ」「ヤドカリ」「イソギンチャク」「ハゼなどの小魚」「巻き貝」などが観られます。ただし、騒がしいと生き物は隠れてしまうので、みんな静かにじっとして、真剣な表情で生き物たちを見つめていました。春の磯は気持ちの良い風が吹いて、楽しい一日を過ごせました。

磯の生き物 小さな水族館を見る
沼のサカナ 網でつかまえる

埼玉県蓮田市にある「山ノ神沼」に行きました。沼や近くの水路の水は茶色に濁っているので、そこにサカナがいるようには思えません。でも、四つ手網を入れて数分間、じっと待ってから素早く網を引き上げると…そこには銀色に光る何匹ものサカナが勢いよく跳ねていました。その瞬間、みんな大興奮です!生き物を捕まえるのは、本当に面白いのです。

沼のサカナ 網でつかまえる
里山の生き物 フィールドマップをつくる

東京都あきる野市にある「横沢入」で、生き物の観察をしました。どういうところに、どんな生き物がいるのか、里山のあちらこちらを歩きながら、田んぼの横の小川を観たり、棚田の奥の小さな池や草原を調べたりしました。「トンボ」「チョウ」などの昆虫、「タニシ」「ドジョウ」「カワニナ」などの水の生き物、また草花も調べて、みんなすてきな「フィールドマップ」ができました。

里山の生き物 フィールドマップをつくる
干潟とカニ 干潟だけで見つかるカニ

三浦半島の先端近く、東京湾の入り口に面している江奈湾の「江奈干潟」で、干潟ならではの生き物を観察しました。ここには干潟でしか見られない「ヤマトオサガニ」をはじめとして「アシハラガニ」や「コメツキガニ」などがいます。どれも特徴のあるカニで、その特徴をみんなで確かめました。広い干潟一面に広がる「ヤマトオサガニ」の巣穴は、数えられないほどたくさんありました。

干潟とカニ 干潟だけで見つかるカニ

プライマリークラス / ミドルクラス / アドバンスクラス

源流探検
川のはじまるところ

多摩川の支流の、そのまた支流である八王子市内の「川口川」の源流を調べました。源流は杉や檜が茂る山の奥にあり、そこへ行く前に中流と上流で川虫を調べたり、水温を測ったり、川原の石を調べて、流域による様子のちがいを確認しました。最後に源流に行きましたが、そこは中流とも上流ともまったく様子がちがっていました。川がここから始まっていることが実感できました。

源流探検 川のはじまるところ
キノコのヒミツ
菌類の生き方

箱根の近くの山中で、キノコの観察をしました。秋に比べるとキノコは少なめでしたが、それでもこれまでに見たことがないキノコを何種類も観察できました。わたしたちが見ているキノコは実はキノコの本体ではなく、本体は見えないところにあることを初めて知りました。それを「菌糸体」と言います。見方や調べ方がわかると、それまでには考えていなかった「菌糸体」を森の中で発見できるようになりました。

キノコのヒミツ 菌類の生き方
昆虫標本づくり
貴重な命をむだにしない

虫取りをして虫かごの中の昆虫をむだに死なせてしまうのではなく、大切な命を長く残すために、昆虫標本のきちんとした作り方を覚えました。おもにチョウの標本を作りましたが、チョウのはねをどのようにすれば「きれいに見せられるか」、そういうことも初めて知りました。この日に覚えたことで、これからは生き物の命をむだにすることはなくなると思います。

昆虫標本づくり 貴重な命をむだにしない
樹海のヒミツ
溶岩原の上に広がるふしぎな世界

青木ヶ原樹海に行きました。そこで見たのはたくさんのコケ、そして木々の大きくねじ曲がった根などです。昼でも樹海の中は太陽の光があまり差し込まず、うす暗い感じがしました。何よりも驚いたのは、樹海には大小たくさんの穴があることです。ここに落ちたら、きっと助からないと思えました。けれどもそういう怖い印象とは別に樹海がまだ若い自然で、これから素晴らしい森になると聞いたとき、これからの樹海の変化が楽しみになりました。

樹海のヒミツ 溶岩原の上に広がるふしぎな世界
夜の磯のヒミツ
暗くなると動き出すものたち

明るいときにはなかなか見られない、磯の生き物たちの夜の姿を確かめるために、三浦半島の荒崎に行きました。明るいときの磯ではカニもあまり姿を見せません。岩に張り付いている貝類も動きません。ところが日が落ちて周囲が暗くなり始めると、様子が変わってきます。カニは大胆に岩の上を動き回り、岩に張り付いていた貝類は、滑るように岩の上を動いていくのです。驚きでした。

夜の磯のヒミツ 暗くなると動き出すものたち

夏の特別プログラム

富士山の湧水と溶岩
透き通る水のヒミツを調べる

8月上旬、1泊2日で富士山の周辺を巡りました。有名な「忍野八海」をはじめ、富士山の周辺には数多くの「湧水スポット」があります。また、富士山をはさんでその忍野八海とはちょうど反対側になる「白糸の滝」も有名な富士山の湧水の一つですし、「柿田川湧水群」もよく知られています。それ以外にもあまり知られていない湧水スポットが、富士山の周辺には100 以上もあると言われています。なぜこれほど多くの湧水スポットがあるのか、それを調べて確かめることがこの特別プログラムの目的でした。忍野八海を始めとして、柿田川湧水群、陣馬の滝、二子水神、沼田不動尊などの湧水池、さらには富士山の須走での「浸透実験」などを通して富士山の湧水の実態に迫りました。

富士山の湧水と溶岩 透き通る水のヒミツを調べる