活動内容

2011年度の活動レポート

2011年度は年度の開始直前に東日本大震災があり、その影響で年間日程やテーマの再検討、再編成を余儀なくされましたが、スタートしてからは順調で、充実したフィールドワークを実施することができました。一般的には「大地震→自然はこわい」という図式になりがちですが、いたずらに恐れるのではなく、その仕組みなどを正しく理解することで冷静な対応ができるよう、子どもたちを指導したいと考えています。

プレップクラス

石はみんなの宝もの(5月)

川原でいろいろな石を探しました。色のちがい、手触りのちがい、形のちがいなどで石を選びながら拾いました。その後、石の標本を作りました。石に絵も描きました。

石はみんなの宝もの
サカナを網でつかまえよう(7月)

沼に行き、四つ手を使ってサカナを捕りました。モツゴ、ギンブナ、タナゴ、スジエビ、シマドジョウなどが捕れました。サカナを捕まえるのは、とっても楽しいことでした。

サカナを網でつかまえよう
磯は小さな水族館(10月)

潮だまりで生き物を観察しました。ヒライソガニやヤドカリ、イソギンチャク、バフンウニ、ハゼ、マツバガイ、ヒザラガイなどを見ました。ビーチコーミングで、宝ものも見つけました。

磯は小さな水族館
葉っぱのふしぎ(11月)

たくさんの形のちがう葉を集めて、仲間分けをしました。針のような葉、ハート形の葉、卵形の葉など、植物の多様性にふれる最初の機会でした。

葉っぱのふしぎ

プライマリークラス / ミドルクラス / アドバンスクラス

水の中の昆虫さがし(6月)

川の上流、水がきれいなところには水生昆虫がいます。カゲロウ、カワゲラ、トビケラ、ヘビトンボなどです。これらは水質を調べるときの指標生物で、これらの水生昆虫の幼虫を見つけるには、川に入り、川底の石を拾い上げて裏返す必要があります。なぜ、石の裏などにいるのか、エサはどうしているのか、速い川の流れになぜ流されないのか…なぞは尽きません。幼虫は小さな生き物ですが、でも確実に生きているのです。普段は意識しない小さな生き物に触れる貴重な、そして面白い体験でした。

水の中の昆虫さがし
里山の生態調査(7月)

里山は、人の生活と深く結びついた一番身近な自然です。そして、そこで見られる動物や植物も、わたしたちにとっては見慣れたものといえます。ただし、都市化が進んだ現在では、里山の生き物といえども、見る機会は少なくなりました。雑木林があり、田畑があり、小川が流れ、池がある…そのそれぞれに、昆虫、サカナ、カエル、鳥などを見ることができます。子どもたちはオリジナルのエリアマップを持って、グループを作りながら、里山の生態を調べていきました。そして、オオタカの姿を見かけたとき、この場所における食物連鎖の頂点に君臨する存在を知りました。

里山の生態調査
コケとシダのヒミツをさぐる(8月~9月)

コケもシダも、ともに地味な存在です。きれいな花が咲くわけでもなく、良い香りがするわけでもありません。見つかる場所も、日当たりの悪い日陰などが中心です。だから、ほとんど注目されませんが、よく見ると、興味深い存在であることがわかってきます。また、花がないのでタネができません。では、どうやって仲間を増やすのでしょう?シダには根があるけれど、コケには根がありません。では、どうやって水分を取り入れているのでしょう?コケもシダも目立たない存在ですが、調べていくと実に巧みな方法で、たくましく生きていることがわかってきます。

コケとシダのヒミツをさぐる
石灰岩とフズリナ(10月)

フズリナは古生代末期の海に存在した紡錘虫の仲間で、示準化石になっています。多くは石灰岩の中に含まれる形で見つかります。フズリナの形は米粒のようなものなので、恐竜などの化石とはちがい見た目の印象は弱いですが、子どもたちはそんなフズリナ化石でも特徴をよく捉え、興味を持って取り組んでくれました。フズリナの死骸が堆積した石灰岩は、石としてはとても興味深い石で、いちばんの特徴は二酸化炭素を含んでいることです。この二酸化炭素は、石灰岩ができる過程で石に取り込まれたものです。石灰岩に薄い塩酸をかけると反応を起こして、石の表面からたくさんの二酸化炭素の泡が出始めます…ふしぎな石です。

石灰岩とフズリナ
空き缶で炭を焼く(10月~11月)

このテーマは、化学の領域のテーマです。炭は人が発明したとても優れた燃料で、また燃料としての利用だけでなく、消臭剤や土壌改良などにも使われています。この炭の特徴を野外の実験で確かめながら、自分たちで炭を焼くことで、単純な燃焼とは違う「蒸し焼き」を経験しました。基本は木と竹の炭を作り、その他、各自、炭にしたいものも持ち寄りました。ミカン、バナナ、松ぼっくりなど以外に、紙風船やインスタントラーメンなど、変わったものも集まりました。さて、結果はどうなったでしょう?

空き缶で炭を焼く