活動内容

2015年度の活動レポート

2015年の活動の一部を、テーマ別にご紹介します。子どもたちがさまざまなフィールドで活発に、元気に、活動しているようすをご覧ください。

プレップクラス

磯の潮だまりで観察する

三浦半島・荒崎の磯で、おもに潮だまりの生き物を中心に観察を行いました。潮だまりでは、カニ、ヤドカリ、イソギンチャク、ハゼなどの小魚、巻き貝などが観られます。今回は特に、カニの「ハサミ」の動き方に注目しました。騒がしいと生き物は隠れてしまうので、観察のやり方を覚え、みんな静かにじっとして、真剣な表情で生き物たちを見つめていました。春の磯は気持ちの良い風が吹いて、楽しい一日を過ごせました。

磯の潮だまりで観察する
動物の足を調べる

多摩動物公園で、10 種類ほどの哺乳類と鳥類の足のようすのちがいを調べて回りました。結果は「観察シート」に記録して、あとでそれを見直しました。すると、同じ哺乳類でもライオンやチーターと、ゾウ、シマウマ、キリンでは足の形がちがっていました。なぜちがうのか?形と動物の生活には何か関係があるのか?…観察のあとで、そういうことも考えました。子どもたちは、みんな熱心に課題に取り組んでいました。

動物の足を調べる
里山のフィールドマップづくり

京都あきる野市にある里山の「横沢入」で、生き物の観察をしました。どういうところに、どんな生き物がいるのか、里山のあちらこちらを歩きながら、田んぼの横の小川を観たり、棚田の奥の小さな池や草原を調べたりしました。トンボやチョウなどの昆虫、タニシ、ドジョウ、カワニナなどの水の生き物、また草花も調べました。ここには初めて見るアカハライモリもいて、みんな大興奮!すてきなフィールドマップも完成しました。

里山のフィールドマップづくり
サカナを網でとる

埼玉県蓮田市にある「山ノ神沼」に行き、沼の横の水路でサカナを捕りました。水路の水は茶色に濁っていて、生き物の姿は見えません。しかし四つ手網をそっと水路に下ろして数分間待って、素早く網を引き上げると、そこには銀色に光る何匹ものサカナなどが勢いよく跳ねていて、みんなおどろきました!生き物を捕まえるのは、本当におもしろいのです。この実習ではサカナの「ひれ」について、実物を見ながら考えました。

サカナを網でとる

プライマリークラス / ミドルクラス / アドバンスクラス

サンショウウオとカエルのたまご

グループに分かれ、みんなで協力しながら里山(あきる野市・横沢入)の池や湿地を見て回り、サンショウウオとアカガエルのたまごをさがしました。ここでは、珍しいトウキョウサンショウウオのた まごが観られます。このたまごはバナナ型のおもしろい形をしてい ました。また、アカガエルのたまごは、ヤマアカガエル とニホンアカガエルのものが見つかります。これらを見 つけ、実際に触って感触を確かめながら、両生類の生活と特徴を考えました。

サンショウウオとカエルのたまご
森のキノコさがし

森(南足柄市・丸太の森)の中をグループで歩きながら、キノコをさがしました。キノコは、その種類によって見つかる場所がちがいました。朽ち木に生えているもの、落ち葉に生えているもの、土から出ているものなどです。こうしたポイントを覚えながら、それぞれの場所を丹念に見ていきました。見つけたキノコは1 か所に集めて、それぞれの外見の特徴などを観察しました。また、森におけるキノコの役割についても考えました。

森のキノコさがし
干潟を歩く

潮が引いた干潟(三浦市・江奈干潟)に出て、カニや貝などの生き物を採集し、観察しました。干潟には数種類のカニがいて、それぞれ住む場所で形や大きさがちがっていました。とくにヤマトオサガニは、穴で生活している関係で、とても特徴のある形をしていました。そして、どうしてそういう形をしているのか、その形が干潟の生活にどういう点で都合が良いのかを考えました。今回は、アシハラガニとアカテガニがたくさん採れました。

干潟を歩く
どこにいるのか、夜の虫

大きな川(神奈川県・酒匂川)の土手や、河原近くの草原で「鳴く虫」をさがしました。鳴く声は聞こえても、虫の姿はなかなか見えません。虫取り網の、ふつうの使い方と、ちがう使い方を覚えて、地面に顔がつくくらいにして歩き回りながら虫をさがしました。よく聞くと、虫の鳴く声は何種類もあります。何度も聞いていると、いくつかは聞き分けられるようになりました。なぜ虫が鳴くのか、その理由も考えました。

どこにいるのか、夜の虫
海のプランクトン

子どもたち用に特別に作った「プランクトンネット」を使って、磯(横須賀市・荒崎)でプランクトンを採集しました。採集は全員で行いましたが、プランクトンネットが上手に使えないと採れません。まずはネットの使い方を覚えました。採集したプランクトンは顕微鏡で観察しましたが、肉眼ではよく見えないプランクトンも、顕微鏡ではおどろくほどの数が見られました。このプランクトンは何のためにいるのか、その役割を考えました。

海のプランクトン
水生昆虫の幼虫をさがす

水生昆虫は、水がきれいな流れが速い川でしか見つかりません。あきる野市にある秋川で、手や網を使って石の裏にいる水生昆虫の幼虫、水底に隠れているトンボのヤゴなどを採集しました。集めた生き物は、観察用の容器に入れて特徴を確認しました。流れが速い川で水に流されないようにして生きるには、そのための工夫が必要です。水生昆虫を顕微鏡で観察して、そのからだの特徴を確かめました。

水生昆虫の幼虫をさがす
食虫植物を観察する

食虫植物は背丈がとても低い植物で、モウセンゴケなどは地面にはうように生きています。また、小さいので地面に近づいて見ていかないと見過ごしてしまいます。こうした点に注意しながら、湿地(山武市・成東・東金食虫植物群落)に設置された木道を歩いて食虫植物を観察しました。小さな虫を食虫植物が取り込んでいる場面も、見ることができました。そして、なぜ植物が虫を食べるようになったのか、そのことについて考えました。

食虫植物を観察する
昼と夜の磯観察

明るいうちに、磯(横須賀市・荒崎)を歩いてカニなどの生き物をさがしました。なかなか見つかりません。カニは警戒して、岩のすき間にもぐっています。岩の表面に張り付いている貝類も動かず、じっとしています。そして日暮れを待って、もういちど磯に出ました。すると、懐中電灯の明かりの中にカニがたくさん現れます。岩の貝も、動き出しました。昼と夜の、このちがいの理由は何なのか、生き物たちの知恵、工夫を観察の結果から考えました。

昼と夜の磯観察
海の甲殻類

磯で見られる甲殻類(カメノテ・フジツボ)を採集し、解剖してからだのつくりの特徴を調べました。磯の岩に張りついて移動しないカメノテやフジツボが、どうやってエサを手に入れるのか、その方法とからだのつくりには関係があるのかを調べました。結果、外見はまったく異なるのにカメノテとフジツボは同じものを持っていました。それは、「蔓脚(まんきゃく)」と呼ばれるエサ採集用の器官です。ススキの穂のような蔓脚で、エサを捕っていたのです。

海の甲殻類
洞窟で生き物をさがす

富士山の裾野にある「コウモリ穴」と、その近くの洞窟で生き物をさがしました。どちらも熔岩洞窟です。エサが見つからないような洞窟に生き物がいるとは思えませんでしたが、結果は意外なほどに多くの生き物がいました。洞窟の生き物の特徴は、からだが小さいことでした。また、からだの色は薄いと予想していましたが、黒いものも見つかりました。でも、どれも見た目は虚弱な印象でした。豊富なエサに、恵まれていないからでしょうか。

洞窟で生き物をさがす
ウニの発生実験

まず、磯(横須賀市・荒崎)で実験用のムラサキウニを採集し、これを使ってグループに分かれて発生(受精)の実験をしました。実験の手順は難しいものではなく、小学生でも十分に取り組めます。ウニの状態のちがいからか、全部のグループで同じように実験が進んだわけではありませんが、受精の段階までは顕微鏡で観察できました。卵割のようすは見られませんでしたが、子どもたちは初めて見るものに生命の神秘を感じていました。

ウニの発生実験
浜辺の漂着物

三浦半島の浜辺(和田長浜海岸)を歩き、波打ち際にある漂着物を収集しました。それらはふつうはゴミと呼んでいるようなものですが、観察の対象にするとちがった見方が生まれてきます。中国語と思われる文字が書かれたライターや、漁具が見つかりました。また、数十年前の缶ビールの缶が見つかりましたが、これは不思議です。収集の後は拾ったものを持ち寄り、分類し、想像力を働かせながら、それぞれの由来を考えました。

浜辺の漂着物